シーカヤック野塾練試会 
 2010年1月29日
瀬戸内海シーカヤッキング 
 野塾練試会がシーカヤッキングの対象とするエリアの紹介です。
 西は笠岡諸島から東は淡路島までを活動エリアにしています。また瀬戸内海以外では日本海山陰も活動エリアに入ります。過去ツアーで訪れたときの写真やレポートを交えて、エリアの紹介を致します。天気が良くて風が進路を邪魔しなければ、シーカヤックは1日に30〜40kmは進むことができます。ベテランの中には1日に60〜70kmも漕ぎ進む人もいるようですが、瀬戸内海ではそんなに頑張らなくても普通の人が普通に練習を重ねていけば、それくらいは漕げるようになります。シーカヤックと言えば、距離を漕がないと損をしたように感じる方もいると思いますが、ゆっくりノンビリ漕いでも朝早く出発すれば、20kmや30kmは充分漕ぎ進めます。またそれだけ進むことができれば、特別な事情がない限り、あるいは特殊なエリアでなければ、瀬戸内海の殆どの場所へシーカヤックで行くことができます。自分の体力でそして腕力で漕力で、色々な島々へ出かけて行き、キャンプをして仲間と一緒に食事をして、またいつもの生活空間へ戻って来る過程に、ワタシはシーカヤッキングの大きな魅力が隠されているように思います。
 
 
 
 
 〜瀬戸内海シーカヤッキングのご案内ページについて〜
 野塾練試会の活動エリアについて概略程度の文章を付け加えておりますが、写真は必ずしもエリアに対応し
ておりません。旧ファイルより該当する写真とレポートをピックアップして、徐々に完成させていきます。 
 
◇野塾練試会シーカヤッキングエリア◇ 
 
笠岡諸島・塩飽諸島・直島諸島・小豆島・日生諸島・家島諸島・淡路島
 ワタシの住む場所からは淡路島は少し離れていますので、あまり馴染みのあるエリアとは言えませんが、とても魅力ある島で活動エリアに入れて考えています。 笠岡諸島は以前は良く出かけて行きましたが、最近は少し足が遠くなっています。塩飽諸島・直島諸島・小豆島周辺はいつものゲレンデで、頻繁に出かけています。日生諸島や家島諸島は最近は殆ど行っていませんが、趣向を変えて、新たに出かけて行きたいと考えています。
 
 
 
 
  NO-2
 ◇直島諸島から小豆島エリア◇
 
直島諸島・石島井島・豊島・小豊島・小豆島・男木島・女木島など
 このエリアが野塾練試会のメインゲレンデです。 大小様々な島々と潮流に恵まれた素晴らしいカヤックゲレンデです。しかし大型船が頻繁に通過する航路や3ノットを超える激潮部などがあり、難易度の高いエリアでもあります。従って日頃からカヤッキングの練習をしない操作力・経験値・判断力の伴わない「観光系シーカヤッカー」対象のエリアでは決してありません。またフェリーや港湾を利用すれば何とかなると考えることは、非常に安易で危険であると考えます。このエリアを存分に楽しむためには日頃の地道な練習しかないと考えます。
 
 
 
  NO-3
◇笠岡諸島から塩飽諸島エリア◇
 
 笠岡諸島・塩飽諸島
 笠岡諸島と塩飽諸島は非常に近いところにありますが、全く異なる雰囲気の海域です。
 全般的に笠岡諸島周辺は穏やかな潮流が流れていますが、塩飽諸島は瀬戸大橋の周辺の潮流は速くて激しく流れています。ここもまた非常に難易度の高いゲレンデです。かつて明治維新の頃、勝海舟が率いる咸臨丸の乗組員に選ばれたのは、本島・広島・牛島に住んでいた船乗りでした。このエリアでの船を操作する能力が高く買われたことは多くの方がご存知でしょう。シーカヤックでこのエリアを存分に楽しむにも同様に高いカヤック操作能力が要求されます。経験や判断力だけではなく、高いパドリング能力が必要なエリアですが、基礎訓練をしっかりつんで、高い操作能力を習得すれば、フェリーなどを利用する必要は全くありません。
 
 
 
 
 NO-4 
◇ 備讃諸島エリア ◇
 
〜小豆島の位置とシーカヤッキングのあるべき姿について〜
 備讃諸島で真剣にシーカヤッキングに取り組もうと考える方ならまずこの小豆島という島を何らかの形で意識することは間違いないと思います。シーカヤックをする上で、こんなにも理想的な他にはなかなかないのではないかと思います。いやいやもちろん他にもこれ以上に優れた島は沢山あると思いますが、ワタシの住む所から遠いところにあっては、あまり意味がないので、近くですぐに行けそうなエリアで頼もしい島を見つけたら、それをワタシはワタシにとっての世界一の島だと考えるようにしているのです。
 話を元に戻しすと、小豆島は岡山側や香川側から「さぁ漕いでいらっしゃい」と呼びかけてくれているように思えてなりません。岡山側からは最短で8km、香川側からは6kmですから、天気や潮の状態が良ければ僅か2時間前後で行けます。もちろんそれは計算上のことであって、誰もがすぐにシーカヤックで行ける訳ではありませんが、それ相応の経験と技術が伴えば、しかるべきルートを通り、安全に行き来することが充分可能です。 
ではシーカヤックを持っていて経験もあるのに、行けない人はどうすれば良いのでしょうか?伴走船を利用すれば良いのでしょうか?それともフェリーに乗って行けば良いのでしょうか? 伴走船やフェリーを利用すれば、小豆島へ行くことができるかも知れませんが、それではシーカヤックで「自立的に」行ったことにはなりません。片道は漕いで行って帰りはフェリーと言うのも、別にやる人の自由かも知れませんが、インスタントでインチキ臭い感じがします。
 この小豆島の存在が我々に教えてくれる重要な内容は、シーカヤックははじめから完全に安全な乗り物ではないと言うこと、また最初から何もかもが楽しい乗り物ではないと言うことです。そしてシーカヤックが海に出るときには必ず人間の生命にとって負の可能性があると言うことです。何も小豆島でなくても他の小さな島でも教えてはくれるはずですが、近くの島々ですと、意識の度合いが比較的小さいですから、少々怖くても行けてしまう訳ですよね。しかし、小豆島辺りになると、なかなかそう簡単にはいきません。
 「負の可能性」に対する恐怖心を取り除くには、しっかりした操作技術を身に付けて、速い潮流の中での操作に慣れ親しみ、航路横断の方法を習得することではないかと思います。
 
  NO-5
 ◇牛窓から日生諸島・家島諸島エリア◇
 
 「牛窓〜小豆島〜家島諸島〜日生諸島〜牛窓」エリアはまだまだ未開拓です!
 牛窓や日生諸島は、カヤックを始めた頃はしばしば漕いでいました。これらの島々は沿岸にありますので、沖合の島々へ行くことを考えれば、比較的初心者の方でも行きやすいエリアだと思います。ただ海水浴シーズンになるとどこも同じようなもんですが、なかなか駐車場を確保するのが難しくなります。特に牛窓近辺はそうですね。また日生諸島は島が陸地から近いエリアに纏まって分布しているので、観光シーカヤッキングの対象にもなっているようですが、出艇場所や上陸場所がそれほど恵まれているとは思えません。それに島々を照らす光量が足りないのか、何となく暗い感じがして、ワタシ個人的にはそれほどそそられるエリアではありません。しかしカヤッキングの中継エリアとしては非常に有り難い諸島と考えています。
 家島諸島は赤穂岬の沖約10kmのところに位置する頼もしい島々です。赤穂岬からと小豆島の金ヶ埼からの垂線が交差したあたりに、上手く纏まってありますが、小豆島などと比べると砂浜の上陸ポイントが少ないです。西島や男鹿島の山は激しく削り取られ景観は最悪で、遠くからでも削られた禿げ山がよく見えます。キャンプできる所も少なく綺麗な砂浜も少ない諸島ですが、本格的なシーカヤッキングの第一歩の目的地としては、非常に魅力ある所に位置した島々だと考えています。  
 
 
  NO-6
◇直島諸島〜家島諸島〜明石海峡エリア ◇
 
直島諸島から明石海峡までのカヤッキングルート
もう10年以上前に「明石-玉野コースタルVL」のロングツーリングを企画したことがありました。参加者は10人くらいいましたが、ツアーは比較的順調にいきました。しかしそのツアーのお膳立てがなかなか骨が折れました。集合場所は玉野と明石の2カ所。玉野集合の人はワタシが車でピックアップして、明石まで行き、そしてワタシだけまた玉野に戻り、それから電車で再び明石まで行き、参加メンバーと合流したのは既に、皆さんが夕食を終えた頃でした。翌日は確か午前3時起床の5時頃の出航だったと思います。2日目は牛窓までは行くことができたのですが、3日目は強い風が吹き海は大荒れになってパドリング不可と判断して、電車で玉野まで行き、そこから再び牛窓へ戻り、荷物とカヤックとメンバーを乗せて、明石までUターン。玉野集合の人とは牛窓で別れて、明石集合の4〜5名を乗せて明石の集合場所へ着いたのは既に夕方頃でした。それからまた岡山へ車を運転して戻りましたが、こんな馬鹿馬鹿しいツアーは二度とやらないと考えたのは当然のことでした。しかしある意味で思い出深い経験の一つでもありました。
 このロングツアーが馬鹿馬鹿しくなったのは、何でもかんでも全部ワタシが背負う形でやったのが原因で、車での移動をもう少し工夫したり、仲間をフルに動員して、コース取りも変えてやれば、面白いツアーが企画できそうです。やるかやらないかは別にして、今考えているのは、玉野から小豆島経由の家島諸島ツアーです。帰りはどうするの?それはご覧の皆さんが考えて下さいね!こうやって地図を見ているだけで色々な構想が思い浮かんで来ますが、出発点や経由点をちょっと変えるだけで色々なコースを設定することができます。
 
 NO-7
◇日本海山陰エリア◇
 
 〜日本海沿岸域でシーカヤックブギ〜
毎年、春と秋には何回か日本海へ出かけます。主な目的は「カヤックブギ」です。打ち寄せる波があるときはカヤックブギを楽しみながら波への対処方法を学びます。波がなく穏やかな時は、入り江で基本練習をしたり、沿岸の景色を楽しみながらツアーに出かけることもあります。ところで、「カヤックブギ」と「カヤックサーフィン」を同じ内容だと考えておられる方もいると思いますが、その目的は随分異なっています。「カヤックサーフィン」は、波に乗るのが目的で、海が穏やかであったり、グチャグチャのブレイクゾーンではできません。ですから、カヤックサーファーはサーフゾーンを求めて移動する傾向が強いと思います。しかし「カヤックブギ」はむしろグチャグチャのブレイクゾーンでカヤック操作を楽しむことを目的としています。当然のことながらブレイクゾーンに突如としてサーフゾーンが発生する場合もありますが、その時はそれも折角ですから楽しんでしまいます。でもそれが目的ではないですから、それがなくなってもサーフゾーンを求めて移動するようなことはありません。また日本海と言えども、いつも海が東映の映画の始まりに出てくるような荒れ狂っている状態なわけではなく、全く穏やかな時もありますが、そんなときでもブレイクゾーンを求めて移動することはありません。いつも自然に与えられた海の状況を享受するのみです。これはワタシだけが持つ特殊な感情かも知れませんが、ある特定の波だけを求めて移動するのは、移動することで何か大きな損失を生んでいるように思えてなりません。だからと言って波を求めて移動する人達を批判するつもりは全くありませんが、「カヤックブギ」と「カヤックサーフィン」は多少オーバーラップする部分はありますが、目的が根本的に異なっていると申し上げておきたいと思います。
 
 
 
 
 NO-8
  ◇島根半島から隠岐諸島エリア◇
 
〜島根半島-隠岐諸島 往復横断〜 
今から9年ほど前に7人でシーカヤックだけで島根半島から隠岐諸島までを1泊2日で往復横断しました。伴走船もフェリーも利用しませんでした。事前に計画書を作り海上保安部に前もって連絡しました。出発・途中・到着・出発・途中・到着の6回携帯で連絡を入れました。往復100kmの海峡横断の実施にあたっては入念な準備をしました。瀬戸内海で30km〜40kmのコースを選び沢山漕ぎました。往路は午前5時出航の午後3時着の10時間の漕行でした。そして帰りは翌日の午前2時起床の午前4時出航でしたが、濃霧が発生してしばらくは何も見えない状態の海でした。島根半島到着は午後13時で9時間の漕行でした。
往路は半分を過ぎても隠岐諸島はよく見えませんでしたが、諸島の上空にかかる雲とGPSの示す方向を頼りに漕ぎ続けました。帰りは随分島根半島がはっきり見える頃になってGSPの調子が悪くなり出発点が一時的に分からなくなりました。GPSが使えず、方向をどんなに間違えても島根半島に到着できることは分かっているのに、数人がパニックに陥りそれぞれがそれぞれの行きたい方向へ行こうとする空気が漂い始めました。何とかしなければグループの雰囲気が険悪になりそうで、咄嗟にGPSの電池を交換しました。するとそれまで付和雷同する進路が確実に出発点を示し始めました。そして無事出発地点に全員元気で到着することができました。
この海峡横断は越佐海峡横断・朝鮮海峡横断と共に非常に思い出深いシーカヤッキングでした。
 
 
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